カワイNO500ペダル修理,16

長期間かけて取り組んでいたNO500も完成が見えて来ました。
引き取ってきた当初、ペダルボックス自体が根本から割れた形跡があり、その物自体が紛失したとのことで、ペダルが付いていないという可哀想な状態でした。恐らく移動の際に強くペダル部分をぶつけてしまい根こそぎ折れてしまったと予想されます。

この部分をどう直すか…色々悩みました。
当時の同機種のペダルボックスが手に入れることはできず、たまたま譲って貰ったヤマハの2本ペダルは手元にある状態でした。

しかしどう合わせても、タボの位置、ペダルボックスを固定する為の左右の蝶ネジを取り付ける為の前後位置が全く適合しませんでした。幸い同じ2本ペダルの為、ペダルレバーに対しての位置は合うことが分かり、新たにペダルボックスを固定する為のネジ受けを作り前後位置を調整すれば大丈夫と判断しました。

ペダル位置を探る為に、エアジャッキを使いペダルボックス上面が上部の木レールに当たる所まで上げていきます。
ミリ単位で上げられる為便利です。

※エアージャッキは2個セットでAmazonで購入可能です。200kgまで対応ですので用途は多岐に渡りそうです。






青マルは元々のペダルボックスを固定していた際の蝶ネジ受け。新たな受けを作る為に13mmの下穴を開けました。(10mmの鬼目ナットを受けにします)


↑赤マルは鬼目ナット




新たに鬼目ナットを埋め込みました。
10mmの六角レンチでねじ込んでいきます。






元々の蝶ネジ受け(青マル)と
新たなボルト受け(赤マル)を使います。





片側2箇所、左右で計4箇所でしっかり固定するようにしました。






4箇所でしっかり固定され金属の斜め突っかい棒もヤマハ様を新調し、現物合わせして取り付けしました。
ペダルボックス取り付け位置は奥になったものの、鍵盤に対してのペダル位置は問題無く収まり安心しました。

写真を撮り忘れましたが、連結部分のかんざし、ゴム受け、革は新しく交換してリフレッシュされました。

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