納品や移動後の初期には変化が大きい
例えば、私たちが新しい環境へ移行した時には慣れるのに時間が必要な場合があると思います。割と直ぐに環境に慣れて適応出来てしまう人も居るでしょう。
ピアノの場合も似ているなと思います。
特にピアノを納品した直後は、一年(春夏秋冬を通して)経過までは不具合の出る確率は高いと感じます。
特に多い症状としては、
雑音が混じる、音が残る、音の狂いが早い、ペダルがきしむ、等があります。
これらの原因として、温度湿度の変化が起因していると考えられます。もしもコンサートホールのピアノ庫の様に温度湿度を管理することが出来れば、かなり安定した状況を保つ事ができるでしょうが、なかなか現実的ではありません。
近年北海道も夏場の多湿、冬場は外気温の低下による暖房機器使用での過乾燥と厳しい環境を強いられています。
完全に管理することは不可能ですが、温度湿度計を設置していただき、気にかけてもらえるだけでも嬉しいことです。
特に冬場は湿度が30%以下になることも多くあります。加湿器やミスティガーデン(電気の要らない自然帰化式加湿器)を設置使用頂けるとかなり状態も安定していきます。
多湿時はエアコンのドライ機能も有効です。
年間通しての湿度の上限と下限を狭くすることが安定化への重要なポイントになります。
楽器も環境に慣れてきて2年目、3年目となる頃には多くの場合、安定傾向へ落ち着いてきます。それでも落ち着かない時は何らかの原因が考えられるので検証が必要です。
木材、皮等の天然素材の楽器であるからこその変化、癖、馴染み、等が起こるのも生ピアノの面白さだと感じながら丁寧に作業にあたりたいと思います。
↑乾燥によりネジもゆるみます
↑鍵盤の見えない部分も全て木材です
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