カワイNO500修理15

忙しいを理由に手が止まっていた修理をペースを上げて再開しています。怠け癖がつき勢いをつけて取り掛からないと直ぐに間が空いてしまいます。
前回の修理14記事からの続きで、今回はダンパーレバーアッセンブリーを点検していきます。
ダンパーヘッドと連結されている根元のパーツですが、動きが悪いと止音不良やスティックの原因になるので、動きの悪い所が無いかを一本ずつ確認していきます。
動き及位悪い所は印をつけておきます。
今回はCLP処置で落ち着きました。
ベースには補助スプリングがついていました。


↑チョークで印をつける



次にアクション部分も隙間に埃が入り込んでいる為ハンマー、サポートを外して掃除をします。
↑アシストスプリングがついていました




サポートレール、ハンマーレールは木です。
とても程度の良い堅木が使われています。
現在の多くのピアノはアルミレールになっています。




サポートの形も造形が美しいです。
全体的に角角に丸みがあり手に馴染みます。
各部にスティックが無いか確認し、CLP処置をしていきます。




一通りの掃除とスティックを直して、取り付けます。
最近購入したベッセルの電動ボールグリップドライバーがとても作業スピードを上げてくれました。ビットも別売で多数対応していて便利です。





そして、アクションの続きです。
バランスピンは一部侵食で使い物にならなかった為、新しいピンを打ち込みます。




次に大凡の鍵盤高さを想定して数種類の厚さごとの紙を事前に入れておきます。
最終的にはピアノ内で精密調整し直します。





今度は深さを調整する紙も同じく入れていきます。緑色のパンチングクロスも新しいモノをセットしました。




一通りの紙をセットし終わり、新しいバランスパンチングクロス、フロントパンチングクロスもセットして完了です。
写真左手、キーバックレールクロスも新しいものに替えてあります。




そして、鍵盤のフロント部分の左右ガタツキが多い為、クロスの貼り替えをします。
先ずはスチームで剥がします。




新しいカシミヤブッシングクロスを貼り込み、治具で圧着、固定しておきます。





残った部分はカットします。
サクッと切れて気持ちが良いです。





接着が固まるまで、しばしお待ち頂きます。





新しいクロスは膨らみがありフロントホール内が窮屈で鍵盤が上下できませんので、専用工具でプレスして適度な遊びをつくります。





おまけ

同じ用途で使う工具です。
それぞれ中国製とドイツ製です。
使い比べるとやはり握った感触、スムーズさは歴然です。価格差5倍もありますが選ぶ価値あり、そう思います。
↑ 左、中国製   右、ドイツ製

つづく

札幌の一級ピアノ調律事務所ebony and ivory

札幌の一級ピアノ調律事務所 です メーカーや年代を問わずピアノの個性を尊重し一台一台丁寧に作業致します 海外製のピアノ調律もお任せ下さい 年代物のピアノは木材の経年による熟成が進み調整次第ではとても表情豊かな楽器へ変身させることができます お使いのピアノの音色やタッチ等々のご不満をお持ちの際は、ぜひ一度当店にご相談くださいませ everyone's piano is unique.